雲の手は山並み撫でるかのように 春の嵐の雨降りやまず ムクノキの白い木肌を覆いたるキヅタの若葉噴き出すがごと 陽のあたる若葉の上に糸のよな細い影引く小蜘蛛かな
幾百の光の花びら放ちつつ 午後の日差しに桜溶けゆく 飛び立った鳩の羽音やさしくて桜の花びらわずかに揺れる 風のない真昼の空をすべりゆく綿毛の行方 追いかけている
薄氷 雪解け水に浮かびつつ空の青さの隣に寄り添う 穏やかな冬の日差しの海があり 鳥の鳴き声自由に渡る 寒空をつかむかのよに枝伸ばす榎の大木西日が照らす
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